旅する生き物

急に涼しくなった野幌森林公園の森を歩くには、上着が欠かせなくなった。

秋の深まりと共に草原コースには、子育てを終え旅立ちに備えた小鳥たちが集まり始め、トンボや昆虫などを狙って、ウグイスやモズ、ノビタキなどが飛交う。この時期のノビタキは、雄と雌の区別がつき難いが、もうすぐ越冬のため大陸に渡っていく。

ススキの穂が風に揺れ、セイタカアワダチソウが黄色く染める草原は、もう秋の佇まいだ。この草原は、以前農地として開拓され公園化に伴って離農した所で、今は草原の小鳥たちの楽園になっている。

野幌の森で出会うことが少ない、旅する蝶のアサギマダラを20年目にして初めて撮影することができた。ヨツバヒヨドリに取付き、蜜を吸うアサギマダラは、話には聞いていたが、この小さな体で1000キロ以上もの海を越えやってくる生態は、いまだ分かっていないそう。生態調査のため羽にマーキングを行い移動ルートを調査しているという。

写真

①灌木にとまるノビタキ

②草原コースは秋の佇まい

③アサギマダラ


投稿者プロフィール

久米谷 弘幸

1950年2月17日生まれ
元テレビ局カメラマン
札幌市在住
体力維持とストレス解消を目的に、50歳から始めた野幌森林公園の森を歩く“探見”(探検と発見を組合わせた造語)を定年後も続けています。
一日歩く毎に野幌森林公園の豊かな自然(四季折々の動植物)を、A4の写真用紙に写真12枚程と簡単な想いをつづった“探見日記”を制作しています。
年間200回を超える探見日記は、自然ふれあい交流館などで、毎年2回の展示を行っています。