秋深まる

早朝の肌寒さの中、落葉を蹴散らしながら進む遊歩道は少し明るくなり、森も黄色や朱色に染まり始めた。

木の葉が落ちて少し見通しの良くなった雑木林で、シマエナガに出逢うことができた。人気のシマエナガは、体長14㎝、体重8g程の小さな鳥である。北海道に生息し野幌森林公園の中で周年見られる鳥ですが、出逢うことは少ない。顔が真っ白、モフモフで可愛い姿から「雪の妖精」とも呼ばれている。

開拓当時、水源確保でつくられた溜池が野幌丘陵地のこの森に数ヵ所残り、水田の水源として欠かせないもので開道100年を記念した公園化のきっかけともなる。この広い平坦な森は、本来の原始林の姿を留めていないが、気候調整林としての役割、森林景観、生活暦としての安らぎをもたらし、近年高く評価されるようになってきた。(江別市発行:野幌森林公園物語より)この所の寒暖差で雑木林の紅葉が一気に進み“秋の深まり”を実感する。

遊歩道に響く「キョーン、キョーン…!」の鳴声が国の天然記念物のクマゲラだ。 野幌の森では最近、出逢うことが多く(2018年のクマゲラ一斉調査で6羽以上の確認)少しずつ増えているよう。

見つけたクマゲラは頭のベレー帽から雄で、秋の味覚のキタコブシの赤い実を啄んでいた。クマゲラが棲む森は、幼木から老木、倒木まである“豊かな森”の証拠とも言われている。

写真

①いつ見ても可愛いシマエナガ

②溜池の周囲の雑木林も色付く

③キタコブシの実を啄む雄のクマゲラ


投稿者プロフィール

久米谷 弘幸

1950年2月17日生まれ
元テレビ局カメラマン
札幌市在住
体力維持とストレス解消を目的に、50歳から始めた野幌森林公園の森を歩く“探見”(探検と発見を組合わせた造語)を定年後も続けています。
一日歩く毎に野幌森林公園の豊かな自然(四季折々の動植物)を、A4の写真用紙に写真12枚程と簡単な想いをつづった“探見日記”を制作しています。
年間200回を超える探見日記は、自然ふれあい交流館などで、毎年2回の展示を行っています。