子育ての季節

「ホーホケキョ…!」青空が広がる草原のタラノキにウグイスがとまり、縄張りを主張するさえずりが響く。早朝の森は、さわやかな小鳥たちの鳴声に包まれ、早起きした者だけの贅沢な時を過ごすことができる。

足元に咲くニリンソウやエンレイソウなどを見ながら遊歩道を進むと、コゲラやシジュウカラなどが樹の巣穴に出入りする姿が見られる。

虫や昆虫が活動を始めるこの時期は、小鳥たちの子育ての季節だ。森に造られた溜池の周囲の広葉樹林は、黄緑色や赤紫色などの若葉が芽吹きモザイクに彩られ目に優しい。

気持ちを癒してくれる雑木林は「春紅葉」「山笑う」などの表現がある。木々の葉が茂ると、森の中は少しずつ日陰が多くなり、小鳥たちを見つけるのも難しくなる。

キツツキの仲間が掘った樹洞からは、可愛いエゾリスの子供が顔を出す。今年は5匹の子リスが生まれたようで、3匹が始めて見る外の世界を興味深々に見つめる。新しい命の誕生は嬉しいもので、厳しい野生の生き残りをかけた戦いに勝ち残り、次世代に繋いでいって欲しいものだ。

「がんばって生きろよ…!」と声をかけたくなる。

写真

①さえずるウグイス

②池の周囲は春紅葉

③顔を出す3匹の子リス


投稿者プロフィール

久米谷 弘幸

1950年2月17日生まれ
元テレビ局カメラマン
札幌市在住
体力維持とストレス解消を目的に、50歳から始めた野幌森林公園の森を歩く“探見”(探検と発見を組合わせた造語)を定年後も続けています。
一日歩く毎に野幌森林公園の豊かな自然(四季折々の動植物)を、A4の写真用紙に写真12枚程と簡単な想いをつづった“探見日記”を制作しています。
年間200回を超える探見日記は、自然ふれあい交流館などで、毎年2回の展示を行っています。