積もっていた雪が融け、野幌の森は一気に春の装いに衣替えが進んだ。
緑のクマイザサが雑木林の林床を埋め、フキノトウやフクジュソウ、エゾエンゴサクが遊歩道を飾る。藪の中から顔を出したのは数頭のエゾシカで、この森を棲み処にしている。エゾシカは、森の周辺の農作物に被害を与えたり、冬の森の若い樹木の皮を食べ枯らしてしまうなど、森の管理者にとっては厄介者だ。
森の湿地には春の訪れを告げるミズバショウの群生が見頃を迎え、訪れるひとの目を楽しませてくれる。ミズバショウは、葉の形が「芭蕉」に似て水辺に生えることから名づけられ、花言葉は「美しい思い出」「変わらぬ美しさ」だそう。
雑木林の倒木から「コツ、コツ…!」樹を突く音で見つけたのは、雌のクマゲラだ。最近出逢うことが多くなったクマゲラだが、新型コロナウイルスの影響で、今年のクマゲラ一斉調査が中止となり、生息数を知ることはできなかった。 クマゲラが増えることは、若木から老木までそろう“豊かな森”の証拠で嬉しいことだという。
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①藪の中から顔を出したエゾシカ
②湿地のミズバショウも見頃
③倒木で食べ物を探す雌のクマゲラ