森も春の装い

積もっていた雪が融け、野幌の森は一気に春の装いに衣替えが進んだ。

緑のクマイザサが雑木林の林床を埋め、フキノトウやフクジュソウ、エゾエンゴサクが遊歩道を飾る。藪の中から顔を出したのは数頭のエゾシカで、この森を棲み処にしている。エゾシカは、森の周辺の農作物に被害を与えたり、冬の森の若い樹木の皮を食べ枯らしてしまうなど、森の管理者にとっては厄介者だ。

森の湿地には春の訪れを告げるミズバショウの群生が見頃を迎え、訪れるひとの目を楽しませてくれる。ミズバショウは、葉の形が「芭蕉」に似て水辺に生えることから名づけられ、花言葉は「美しい思い出」「変わらぬ美しさ」だそう。

雑木林の倒木から「コツ、コツ…!」樹を突く音で見つけたのは、雌のクマゲラだ。最近出逢うことが多くなったクマゲラだが、新型コロナウイルスの影響で、今年のクマゲラ一斉調査が中止となり、生息数を知ることはできなかった。 クマゲラが増えることは、若木から老木までそろう“豊かな森”の証拠で嬉しいことだという。

写真

①藪の中から顔を出したエゾシカ

②湿地のミズバショウも見頃

③倒木で食べ物を探す雌のクマゲラ


投稿者プロフィール

久米谷 弘幸

1950年2月17日生まれ
元テレビ局カメラマン
札幌市在住
体力維持とストレス解消を目的に、50歳から始めた野幌森林公園の森を歩く“探見”(探検と発見を組合わせた造語)を定年後も続けています。
一日歩く毎に野幌森林公園の豊かな自然(四季折々の動植物)を、A4の写真用紙に写真12枚程と簡単な想いをつづった“探見日記”を制作しています。
年間200回を超える探見日記は、自然ふれあい交流館などで、毎年2回の展示を行っています。