春への歩み

3月に入り、野幌の森は一気に雪が降り例年並みの積雪量となってしまった。大雪になったり、季節外れの大雨が降るなど寒暖差の激しい天気に森の動物たちも戸惑っているよう。

久しぶりに姿を見せたエゾフクロウは、雪が残る樹洞の入口に佇み夜の狩りに備えしっかり睡眠をとる。

雑木林の中を進む遊歩道も、朝のうちは“堅雪”となり、この時期だけの歩きやすい探見を楽しめる。ヤナギも芽吹き、フキノトウも顔を出し、森にある溜池の岸辺も少しずつ水面が顔を出しキラキラ輝き始め、雪解けも急ピッチで“春への歩み”が進む。(雑木林では16日現在40㎝程雪が残る)

見上げる桂の樹の小枝には、ピンクの襟巻が特徴のウソが新芽を集団で啄み、気持ちの良い青空に春を感じさせてくれる。今年の野幌の森は冬鳥の姿が少なく、毎日のように森歩きを楽しむ森の仲間も気をもんでいるが、その分、クマゲラの姿を多く見る幸運もある。

小鳥たちの世界も繁殖の季節を迎え、気のせいか鳴声も明るく聞こえてくる。新型コロナウイルスに振り回される人間社会も、森を歩く事で一時ストレスを癒してくれる。

日常の生活が戻る“春”が早く訪れる事を願っています。

写真
① 樹洞で居眠りするエゾフクロウ


② 森の溜池も雪解けが進む

③ 桂の新芽を啄むウソ


投稿者プロフィール

久米谷 弘幸

1950年2月17日生まれ
元テレビ局カメラマン
札幌市在住
体力維持とストレス解消を目的に、50歳から始めた野幌森林公園の森を歩く“探見”(探検と発見を組合わせた造語)を定年後も続けています。
一日歩く毎に野幌森林公園の豊かな自然(四季折々の動植物)を、A4の写真用紙に写真12枚程と簡単な想いをつづった“探見日記”を制作しています。
年間200回を超える探見日記は、自然ふれあい交流館などで、毎年2回の展示を行っています。