樹液の季節

記録的な少雪となっていた厳冬期の野幌森林公園の森も、先日の低気圧の影響で大雪となり、例年並みの積雪となったが、この所の暖気でまた一気に雪解けが進む。 昼と夜の寒暖差が大きくなると雑木林のカエデなどが“樹液”を出し始める。

この“樹液の季節”を待ちかねていたのは小鳥たちで、ハシブトガラや人気のシマエナガが樹液のツララに集まり、ホバリングしながら甘いメープルシロップをなめに集まってくる。

森を照らす陽射しも柔らかくなり始め、徐々に日が長くなり“三寒四温”の春への気配が感じられる。

食べ物が乏しくなるこの季節、森の動物たちは秋に保存しておいた食べ物を雪の中から掘り出し、お腹を満たす。冬眠しないエゾリスも、乾燥したキノコをほおばり、子育てに備え巣材を集めるなど忙しそう。

雪解けはまだ先だが、雪深い森の中でも季節の歩みを実感することができる。

写真

①樹液のツララに集まるハシブトガラとシマエナガ

②一昨年の台風被害の倒木に積もる雪

③見つけたキノコをほおばるエゾリス


投稿者プロフィール

久米谷 弘幸

1950年2月17日生まれ
元テレビ局カメラマン
札幌市在住
体力維持とストレス解消を目的に、50歳から始めた野幌森林公園の森を歩く“探見”(探検と発見を組合わせた造語)を定年後も続けています。
一日歩く毎に野幌森林公園の豊かな自然(四季折々の動植物)を、A4の写真用紙に写真12枚程と簡単な想いをつづった“探見日記”を制作しています。
年間200回を超える探見日記は、自然ふれあい交流館などで、毎年2回の展示を行っています。