雪の妖精

「雪の妖精」との愛称で親しまれているシマエナガ。北海道だけに生息するエナガの亜種で体長14㎝程の縫いぐるみのようなシマエナガは、出逢えただけで嬉しくなる小鳥だ。 雑木林の樹の葉が無くなるこの時期は、鳴声やカラ類と混群で採餌することが多く見つけやすくなる。写真を撮影する者にとって、せわしなく動き回るシマエナガは、100枚位撮影しても使えるのは1、2枚程でカメラマンをてこずらせる、心憎い可愛い野鳥だ。

例年よりも雪が少ない野幌の森は、静かで小鳥たちの姿も少なく感じる。白い息を吐きながら進む遊歩道からは、朝日が雑木林を朱色に染めながら昇り、清々しい冷たい空気が眠気を吹き飛ばしてくれる。

「コツ、コツ、…!」樹を突く音で見つけたクマゲラは雌だった。天然記念物のクマゲラは、この森で繁殖する留鳥で雪が降ると、地面の倒木から枯木の幹に取付き採餌するため、この季節は見つけ易くなる。クマゲラは枯木の皮を剥がしアリや昆虫を長い舌で絡め捕る。2019年のクマゲラ一斉調査では、7羽程の生息が確認されているが、ここ2年はコロナ禍で調査が行われていない。

写真

①人気のシマエナガ

②雑木林の朝日 

③樹の皮を剥ぐクマゲラ


投稿者プロフィール

久米谷 弘幸

1950年2月17日生まれ
元テレビ局カメラマン
札幌市在住
体力維持とストレス解消を目的に、50歳から始めた野幌森林公園の森を歩く“探見”(探検と発見を組合わせた造語)を定年後も続けています。
一日歩く毎に野幌森林公園の豊かな自然(四季折々の動植物)を、A4の写真用紙に写真12枚程と簡単な想いをつづった“探見日記”を制作しています。
年間200回を超える探見日記は、自然ふれあい交流館などで、毎年2回の展示を行っています。