出逢えたエゾシカ

暑さも緩み、野幌森林公園の森の早朝は上着無しでは歩けない季節となった。遊歩道脇のナナカマドの葉は少しずつ色付き、枯葉が舞うなど秋の深まりを実感する。

溜池の岸辺で偶然エゾシカを発見。5頭程の雌シカの親子が水を飲んだ後、雑木林に姿を消した。野幌の森では、出逢う事の少ないエゾシカだが最近増える傾向にあり、春には好物のオオウバユリの芽を食べたり、食べ物の少なくなる冬には、若木の樹皮を食べるなど食害が問題となっている。この森のエゾシカには天敵がいないだけに、森の管理者は頭を抱える。 

小鳥たちが集団化し静かになった森は、遊歩道脇を飾るエゾトリカブトが見頃を迎え、紫の鮮やかな花が風に揺れる。“綺麗な花には毒がある”の言い伝え通りエゾトリカブトは猛毒で、昔アイヌの人たちが狩猟につかっていたそう。花の形が鳥兜、鳥帽子などに似る所からトリカブトの名が付いたという。

この森で出逢うことの少ないイカルを見つける。イカルは全長23㎝程の少しずんぐりした体形で、黄色い大きな嘴は大変力が強く、堅い木の実や種子を割って食べる。体に似合わぬ澄んだ鳴声で「キーコーキー」とさえずる。鳴声が怒っているように聞こえることなどからイカルの名が付いたという説があるが定かではない。北海道では夏鳥だが、一部越冬するものもいるという。

【写真】

①姿を見せたエゾシカ

②遊歩道を飾るエゾトリカブト 

③久しぶりのイカル 


投稿者プロフィール

久米谷 弘幸

1950年2月17日生まれ
元テレビ局カメラマン
札幌市在住
体力維持とストレス解消を目的に、50歳から始めた野幌森林公園の森を歩く“探見”(探検と発見を組合わせた造語)を定年後も続けています。
一日歩く毎に野幌森林公園の豊かな自然(四季折々の動植物)を、A4の写真用紙に写真12枚程と簡単な想いをつづった“探見日記”を制作しています。
年間200回を超える探見日記は、自然ふれあい交流館などで、毎年2回の展示を行っています。