森も秋の装い

続いていた記録的な暑さも緩み、野幌森林公園の森の中も涼しさを取り戻してきた。

雑木林の樹の葉も少しずつ色付き始め、熟し始めた木の実を求め冬眠しない森の動物たちは、食べ物の少なくなる冬に備え木の実などを蓄え始める。オニグルミの実を咥えたエゾリスは樹上を駆け降り、地面に食べ物を蓄える。 エゾリスが冬に食べ残したオニグルミやドングリなどの木の実が、春に芽を出し雑木林の樹の再生に役立ち、森に棲む動物たちの食べ物も確保されるという、森と動物たちの共生が成り立っているよう。 

森の草原コースでは、ススキノが穂を出し秋の訪れを告げる。遊歩道脇のオオアワダチソウの黄色い花が一面に咲き始め青空の広がる中、爽やかな風が通り過ぎる。キリギリスやコオロギが合唱を始めたが、今年はどうした事か夏ゼミの鳴声が聞こえない。いろいろな説がささやかれているが、確かなことは判らない。

この時期に出逢うことが少ないエゾフクロウを見つけることができた。エゾフクロウはこの春巣立ちした幼鳥で、まだ幼さが見てとれる。 大きな目を見開き、あたりを警戒する可愛いエゾフクロウは、独り立ちしたばかりで食べ物確保に苦労しているのか、少し瘦せているよう。ネズミが主食のエゾフクロウのハート形の顔は、小さな音を聞くことができるようアンテナの役割をしているという。元気に育ってほしいものだ。 

写真

①オニグルミの実を咥えたエゾリス 

②ススキノ穂が風に揺れる 

③エゾフクロウの幼鳥 

 


投稿者プロフィール

久米谷 弘幸

1950年2月17日生まれ
元テレビ局カメラマン
札幌市在住
体力維持とストレス解消を目的に、50歳から始めた野幌森林公園の森を歩く“探見”(探検と発見を組合わせた造語)を定年後も続けています。
一日歩く毎に野幌森林公園の豊かな自然(四季折々の動植物)を、A4の写真用紙に写真12枚程と簡単な想いをつづった“探見日記”を制作しています。
年間200回を超える探見日記は、自然ふれあい交流館などで、毎年2回の展示を行っています。