新緑から深緑に日一日と色濃くなる野幌の森は、 暖かさが増し動植物の活動が活発になり、野鳥たちの食べ物も豊富になるこの時期は、やってきた夏鳥や留鳥も一斉に縄張りを主張し卵を産み、命がけの子孫を残す大仕事の真っ最中だ。この森に棲むエゾフクロウも雛が巣立ち、親エゾフクロウに見守られながら狩りの訓練を繰り返している。 仲良く並んだ3羽の可愛いエゾフクロウの幼鳥、カラスやヒヨドリたちに追われる厳しい自然界の中で、逞しく育ってほしいものだ。
緑のトンネルとなった好天の森の遊歩道は、爽やかでコロナ禍の中でも、マスクをしながら森歩きを楽しむ人が多く訪れる。雑木林に潜む小鳥たちや、足元に咲くコケイランやサイハイランなどのラン科の花や、ハクウンボクなどの白い清楚な樹の花も次々と咲き、気持ちを和ませてくれる。
一番日の長いこの季節は、早朝から森の“探見“に出かけることが多く、早起きした小鳥たちの活発な行動が見られるのも楽しみの一つだ。小鳥たちの鳴声が溢れる雑木林では、幼鳥を連れたオオアカゲラに出逢うことができた。鳴き交わしながら樹を移動、時々親鳥が昆虫や木の虫を渡し、食べ物の在り処などを教え、独り立ちのすべを伝授している。森の中の野鳥たちは、限られた森の自然のバランスの中で生き、種を繋いでいる。
写真
①エゾフクロウの三兄弟

②新緑の森の遊歩道

③オオアカゲラの親子
