2021年1月マンスリーイシュー

1/1 (金)  英、EUを「完全離脱」 FTAが暫定発効

2020年1月末に欧州連合(EU)を離脱した英国を加盟国とほぼ同等に扱う移行期間が12月31日午後11時(日本時間1月1日午前8時)に終了し、英・EU間の自由貿易協定(FTA)が暫定発効した。英国は前身の欧州共同体(EC)加盟から約半世紀続いた関係を正式に断ち切り、独自の道を歩むことになった。

1/6 (水) 米連邦議会議事堂にトランプ支持者乱入

バイデン米次期大統領の選出に反対するトランプ大統領の支持者は6日、米連邦議会の議事堂に乱入して約3時間にわたり占拠した。連邦議会議事堂が攻撃を受けるのは、米英戦争のさなかに英軍が火を放った1814年以来、約200年ぶりの事態だ。民主主義を旗印にする超大国の中枢が脅威にさらされた。
6日午前にワシントンで集会を開いたトランプ大統領は、集まった支持者に「議事堂に向かおう。弱さでは米国を取り戻せない。強さを見せる必要がある」と語りかけた。議事堂乱入後にトランプ氏はツイッターで暴力を控えるよう呼びかけたが、根拠のない「大統領選で大規模な不正があった」との主張はやめていない。

1/7(木) 1都3県に緊急事態宣言、2月7日まで

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、菅首相は7日、東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県を対象に緊急事態宣言を発令した。期間は8日から2月7日までの1か月間。首相は記者会見で、不要不急の外出自粛などを国民に呼びかけた。宣言は、新型インフルエンザ対策特別措置法に基づき、7日夜、官報に公示されて発効した。宣言発令は昨年4月7日~5月25日以来、2度目となる。

1/8(金)  寒さの影響で電力需給が逼迫、北陸電力で一時使用率99%

西日本を中心に大雪に見舞われた1月7、8日、北陸電力送配電(富山市)では管内の電力使用率が一時99%に達して供給余力を示す予備率が1%にまで下がり、他社から電力融通を受ける異例の事態となった。北陸三県を主なエリアとする北電送配電の供給予備率は安定供給に最低限必要とされる3%を連日下回り、中部電力パワーグリッド(名古屋市)などから電力を調達して乗り切った。全国の電力の需給状況を管理する「電力広域的運営推進機関」(東京)が設立された2015年以降、北陸電力が電力融通を受けるのは初めてだ。

1/20(水) ジョー・バイデンが合衆国大統領に就任

米首都ワシントンで20日、大統領就任式が行われ、民主党のジョー・バイデン氏が第46代大統領に就任した。カマラ・ハリス氏は、アメリカ初の女性でアフリカ系でアジア系の副大統領になった。バイデン新大統領はホワイトハウスに入ると早速、執務室に入り、パリ協定復帰や連邦施設でのマスク義務化などを命令する大統領令に署名した。
バイデン新大統領は宣誓後、「アメリカをまたひとつにまとめて、立て直すため、全身全霊をかける」と述べた上で、「私たちはまたしても、民主主義が貴重だと学ぶことになった。民主主義は壊れやすい。そして皆さん、今この時には、民主主義が打ち勝った」と話した。
ドナルド・トランプ前大統領はこれに先駆けてフロリダ州に移動しており、就任式に欠席した。現職大統領が新大統領の就任式に欠席するのは1869年以来。式典にはバラク・オバマ元大統領やジョージ・W・ブッシュ元大統領も出席した。

1/22 (金) 核兵器禁止条約が発効

核兵器の開発、保有、使用を全面禁止する初の国際法規である核兵器禁止条約の発効が22日、南太平洋のサモアから始まった。2020年10月までに批准した50カ国・地域で現地時間22日午前0時に順次、効力が発生する。米国、英国、フランス、中国、ロシアの核保有五大国のほか、米国の「核の傘」の下にある日本や韓国は参加していない。
これまでに批准したのは51カ国・地域。サモアではかつて、米仏などの核実験が繰り返された。国連本部のあるニューヨークの米東部時間22日午前0時(日本時間同日午後2時)には大半の締約国で発効する。条約はオーストリアやメキシコなどが議論を主導し、17年7月に国連で122カ国・地域の賛成で採択された。20年10月には批准国・地域が発効に必要な50に達し、90日後の発効が決まっていた。
条約は核兵器を「使用するという威嚇」まで法的に禁じる。核兵器の実験や移転、配備の許可も禁止事項に含む。核実験や核兵器の使用で被害を受けた人への支援、影響を受けた環境の修復に向けて必要な措置を取るよう求めている。
核不拡散や核軍縮の交渉義務、原子力の平和利用を求める核拡散防止条約(NPT)よりも踏み込んだ内容だが、これまでに批准した国・地域はいずれも非核保有国で、実効性には課題がある。唯一の戦争被爆国である日本も、北朝鮮や中国など東アジア地域の厳しい安全保障環境から条約の署名・批准には慎重だ。

1/29 東芝、東証1部に復帰

東芝は29日、東京証券取引所の1部に復帰した。2017年に米原発子会社の巨額損失で債務超過となったことなどで2部に降格されていた。約3年半ぶりの1部復帰となる。不採算事業の売却や縮小などを通じて業績を改善した。
18年4月に車谷暢昭氏(現社長兼最高経営責任者、CEO)を外部から経営陣に迎え入れ、半導体メモリーやパソコンなどの事業を整理してコスト管理を徹底した。20年3月期の連結営業利益は1304億円と前の期の3.7倍となっている。車谷社長兼CEOは同日、「1部への復帰は経営危機から再建途上にある当社において大きな節目。本日を東芝のリスタートの日として、ガバナンス、コンプライアンスの一層の強化に努める」との談話を出した。東芝株は取引開始直後、前日比1%高の3465円を付けて復帰後最初の売買が成立した。