森はまだ冬景色

寒さが緩み始めた森にも、越冬にやってきていたベニヒワの集団がカラマツの実に取付き食事の真っ最中。ベニヒワは額の赤いのは雌で、雄は額も胸も赤い。マヒワとの混群になっていることの多いベニヒワは、森が緑に染まる頃には北極圏に移動し繁殖するという。

本州では桜の開花が伝えられるが、野幌森林公園の3月の森はまだ50㎝程の雪が残る冬景色だ。朝のうち解けた雪が凍りツルツルの遊歩道だが、昼頃にはザクザクのぬかるみとなるので、散策には要注意だ。今年の森の中は、台風の倒木処理作業の重機の影響もあったのか、例年よりも小鳥たちの姿が少なかったよう。それでもヤナギが芽吹きフキノトウも顔を出し、春への歩みは確実に進んでいる。

雑木林を飛交う小鳥たちもペアでの行動が目に付くようになり、鳴声も華やいで聞こえる。樹を突くキツツキのドラミングも静かな森に響く。3羽で追いかけっこするのはアカゲラで、縄張り争いなのか、はっきりしないが、繁殖の時期を迎えているのは確かだ。

写真

①カラマツの実を啄むベニヒワ

②雑木林はまだ雪景色

③アカゲラの追いかけっこ


投稿者プロフィール

久米谷 弘幸

1950年2月17日生まれ
元テレビ局カメラマン
札幌市在住
体力維持とストレス解消を目的に、50歳から始めた野幌森林公園の森を歩く“探見”(探検と発見を組合わせた造語)を定年後も続けています。
一日歩く毎に野幌森林公園の豊かな自然(四季折々の動植物)を、A4の写真用紙に写真12枚程と簡単な想いをつづった“探見日記”を制作しています。
年間200回を超える探見日記は、自然ふれあい交流館などで、毎年2回の展示を行っています。