森の恩恵

北海道の開拓当時、近くに山がなかったことから、水源確保のため入植した開拓民の要望で残されたという野幌の森。今では暴風雪林として、気温や湿度の調整、空気の浄化、生活環境の快適化など、周辺住民に多くの恩恵をもたらしてくれる。(叢書 江別に生きる10 野幌原始林物語- 森と人々のシンフォニー ― から)
7月としては記録的な暑さが続く野幌の森は、例年より雪解けが遅れ、春先の遅れていた植物の成長が促され、夏の花が一気に咲き始めた。遊歩道を彩るクルマユリやエゾアジサイ、ツルアリドオシ、珍しいキンセイランも咲く。人の背丈ほどのラッパ型の黄緑色の花を付けたオオウバユリも見頃となった。このオオウバユリの花芽をエゾシカが食べてしまう困ったことも最近わかった。
森に残された溜池には、運が良ければ可愛いオシドリの雛やカイツブリの雛が泳ぐ姿も見られ、探見の楽しみの一つで、無事に育つことを祈るばかりだ。
涼しい早朝の森は、木漏れ日が見られ、早起きした人だけが楽しめる森からのご褒美にも感じられ、気持ちがリフレッシュされる。

写真
① オオウバユリ ( 2017年7月9日撮影 )

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② オシドリの雛 ( 2017年7月7日撮影 )

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③ 木漏れ日 ( 2017年7月14日撮影 )

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投稿者プロフィール

久米谷 弘幸

1950年2月17日生まれ
元テレビ局カメラマン
札幌市在住
体力維持とストレス解消を目的に、50歳から始めた野幌森林公園の森を歩く“探見”(探検と発見を組合わせた造語)を定年後も続けています。
一日歩く毎に野幌森林公園の豊かな自然(四季折々の動植物)を、A4の写真用紙に写真12枚程と簡単な想いをつづった“探見日記”を制作しています。
年間200回を超える探見日記は、自然ふれあい交流館などで、毎年2回の展示を行っています。