千葉大学は、東京大学工学部とともにエネルギーマネジメントシステム(EnMS)の導入及びその国際規格である ISO50001の認証取得を進めている。

経済産業省の 「グループ単位による事業競争力強化モデル事業」の採択を受けた「東京大学工学部と千葉大学の連携による、教育機関におけるISO50001を用いたエネルギーマネジメントシステム導入モデル事業」によるもので、全学でのEnMS導入は千葉大学が全国初となる。

千葉大学では他大学に先駆けて2003年環境マネジメントシステム(EMS)の国際規格ISO14001の認証取得に向けたキックオフを行い、2006年までに、主要全キャンパスにおける認証取得を実現した。2013年はEMSキックオフから10年目の節目を迎える年にあたる。
「全学でのEnMS導入は全国初のチャレンジであり、10年目を迎えるEMS活動の活性化になっている。また、今回千葉大で作成したEnMSマニュアルは他の大学や組織でも参考になる」と、環境管理責任者としてEMS及びEnMS導入を進める倉阪秀史人文社会研究科教授はその意義を強調する。

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EnMS導入にあたって千葉大では、「環境方針」を「環境・エネルギー方針」に改め、その5項目として次の方針を追加した。
「国立大学の中で全国トップ水準のエネルギー効率を維持し、継続的に改善していきます。また、エネルギーパフォーマンス改善に繋がる製品やサービスの調達、施設の設計を支援します。」
全国トップ水準のエネルギー効率の維持と、エネルギー効率の高い製品・サービスの調達や施設設計の支援がEnMSの大目標として掲げられている。
具体的な取り組みとしては、全部屋のエネルギー多消費型機器を調査し、管理・自主点検チェックシートを作成。建物ごとの省エネルギー行動計画を含めて内部監査の対象として、継続的改善を図るとしている。

環境・エネルギーマネジメント運営の組織図は下に示したとおりだが、千葉大学の特徴は環境ISO学生委員会がマネジメントシステムの運用に深くにかかわっていることだ。環境ISO委員会はシステムの運営に関する重要事項について毎月審議・検討を行っているが、同委員会には、環境ISO学生委員会委員長も出席し、学生の視点から様々な提案を行っている。
実際にISO50001を読んで、EnMSの文書づくりや内部監査の計画や報告をまとめているのも、「EMS実習」の授業を受講した学生有志たちだという。

環境・エネルギーマネジメント運営の組織図
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内部監査結果のとりまとめ作業を進める環境ISO学生委員
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さらに、「学生太陽光発電所プロジェクト」も進められている。太陽光発電設備の設置にかかる初期費用を学生を主としたファンドを立ち上げて集めようというものだ。
このプロジェクト実現のために、すでに環境ISO学生委員会OBと現役委員により「千葉エコ・エネルギー株式会社」が設立されている。実は、この「東京大学工学部と千葉大学の連携による、教育機関におけるISO50001を用いたエネルギーマネジメントシステム導入モデル事業」も千葉エコ・エネルギー株式会社がコーディネートしたものである。

年度内にエネルギーレビューや内部監査の結果がまとまり、ISO50001は取得できる見込みだが、実際のエネルギー効率の改善につながる機器の入れ替えや太陽光発電などの創エネの取り組みは来年度以降の課題としている。
千葉県内では大きなエネルギー消費事業者である千葉大のエネルギー効率向上とともに、「学生太陽光発電プロジェクト」の実現にも期待したい。
(久米谷 弘光)