クマゲラの鳴声響く森

「キョーン、キョーン…!」急ピッチで雪解けが進む野幌森林公園の森に、天然記念物のクマゲラ(大きさ46cm程)の鳴声が響く。 繁殖の時期が近づくとドラミングを盛んに行い、活発に行動するので出逢うことが多くなる。 雄と雌が接近すると「クイーン」などと通常と異なる優しい声で鳴く。 先日行われたクマゲラの一斉調査では、この森に暫定で4~5羽が確認されたという。

 

遊歩道に倒れ掛かったトドマツの樹が危険木処理で切り倒され、鮮やかな年輪が刻まれた切り株が転がる。 木屑の甘い匂いが漂う切株から、昔の田舎暮らしの物置で薪ストーブ用に樹を切ったり割ったりし、子供たちの手で一日分の薪をつくっていた記憶が蘇った。

 

沢を通る遊歩道の南斜面では、樹の輻射熱で根元の雪解けが早い“根開け”が進み、顔を出した地面にフキノトウ(アキタブキ)が芽吹いていた。 黄緑色のフキノトウは、白一色の雪に閉ざされていた野幌森林公園の森に、待ち焦がれた彩りと春を運んできてくれた。

 

写真

①雌のクマゲラ ( 2018年3月13日撮影 )

②切り倒されたトドマツ ( 2018年3月15日撮影 )

③フキノトウ(アキタブキ) ( 2018年3月14日撮影 )


投稿者プロフィール

久米谷 弘幸

1950年2月17日生まれ
元テレビ局カメラマン
札幌市在住
体力維持とストレス解消を目的に、50歳から始めた野幌森林公園の森を歩く“探見”(探検と発見を組合わせた造語)を定年後も続けています。
一日歩く毎に野幌森林公園の豊かな自然(四季折々の動植物)を、A4の写真用紙に写真12枚程と簡単な想いをつづった“探見日記”を制作しています。
年間200回を超える探見日記は、自然ふれあい交流館などで、毎年2回の展示を行っています。