「キョーン、キョーン…!」急ピッチで雪解けが進む野幌森林公園の森に、天然記念物のクマゲラ(大きさ46cm程)の鳴声が響く。 繁殖の時期が近づくとドラミングを盛んに行い、活発に行動するので出逢うことが多くなる。 雄と雌が接近すると「クイーン」などと通常と異なる優しい声で鳴く。 先日行われたクマゲラの一斉調査では、この森に暫定で4~5羽が確認されたという。
遊歩道に倒れ掛かったトドマツの樹が危険木処理で切り倒され、鮮やかな年輪が刻まれた切り株が転がる。 木屑の甘い匂いが漂う切株から、昔の田舎暮らしの物置で薪ストーブ用に樹を切ったり割ったりし、子供たちの手で一日分の薪をつくっていた記憶が蘇った。
沢を通る遊歩道の南斜面では、樹の輻射熱で根元の雪解けが早い“根開け”が進み、顔を出した地面にフキノトウ(アキタブキ)が芽吹いていた。 黄緑色のフキノトウは、白一色の雪に閉ざされていた野幌森林公園の森に、待ち焦がれた彩りと春を運んできてくれた。
写真
①雌のクマゲラ ( 2018年3月13日撮影 )
②切り倒されたトドマツ ( 2018年3月15日撮影 )
③フキノトウ(アキタブキ) ( 2018年3月14日撮影 )