燃える樹

急に寒気がやってきた野幌森林公園の早朝の森は、セーターを着込んでの“探見”となり、落葉が風に舞う遊歩道からは、黄色や朱色に着飾った雑木林が華やいで見える。
開拓使の頃の林業試験場の名残で植えられた外国樹のストローブマツ林(北アメリカ原産)には、ツタウルシの蔓が絡み朱色に輝く葉が、まるで樹が燃えているように見えた。

紅葉の見頃を迎えた雑木林は、日当たりの良い寒暖差の大きい所から徐々に色付き始め、霜が降りる頃には一斉に葉を落としてしまう。紅葉のピークは数日の短い間で、好天に恵まれなければ見逃してしまう。中でもヤマモミジの紅葉は、少し遅く初雪が降るころに見頃となるので、これからの楽しみである。

季節の変化をいち早く察知し行動を起こす水鳥たちも溜池に集まり始め、マガモやコガモ、オシドリなどが渡りに備えて腹ごしらえに忙しそう。樹の葉が落ちて見通しが良くなるこれからは、人気のシマエナガやフクロウ、クマゲラなども見つけやすくなり、野鳥観察の楽しみな季節となる。

写真
①燃える樹 ( 2017年10月15日撮影 )
①燃える樹

②色づく雑木林 ( 2017年10月14日撮影 )
②色づく雑木林

③羽ばたくマガモ ( 2017年10月14日撮影 )
③マガモの羽ばたき


投稿者プロフィール

久米谷 弘幸

1950年2月17日生まれ
元テレビ局カメラマン
札幌市在住
体力維持とストレス解消を目的に、50歳から始めた野幌森林公園の森を歩く“探見”(探検と発見を組合わせた造語)を定年後も続けています。
一日歩く毎に野幌森林公園の豊かな自然(四季折々の動植物)を、A4の写真用紙に写真12枚程と簡単な想いをつづった“探見日記”を制作しています。
年間200回を超える探見日記は、自然ふれあい交流館などで、毎年2回の展示を行っています。